*他愛ない君との時間*

□volume:4
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「……………」

「どうしたんだい?さっきから箸が進んでいないみたいだけど?」

「……え…あ…いや……別に……」

「また続かないダイエット?」

「続かなくないですよ!いつも一週間はもちます!」

「そういうのを続かないっていうんだよ」

「私的には一週間でも長いんです!っていうかダイエットなんかしてません」

「そうだね、それ以上貧相な体になられたら萎えるどころか盛る気すら失せそうだし」

「……どうせもとから貧相です!…もぅ…食欲ないってだけでなんでそこまで言われなきゃいけないんですか……」

「食欲ないの?」

「え…ま、まぁ……」

「……………つわり?」

「な!ち、違いますよ!なんでそうなるんですか!」

「そうなるようなことしてるんだから別に不思議なことじゃないじゃない」

「いや、まぁ、そりゃそうですけど……でも違います!」

「そう、残念だな」

「へ……雲雀さん、子供欲しかったりするんですか…?」

「いたらいたで面白そうだとは思うよ」

「え、え、それってあの…私の子供が欲しいってことですか!?」

「…朝から下品な言い方しないでくれる?食事が不味くなる。
で、どうして食べないの?」

「わ、話逸らしましたね」

「この手の話は面倒くさそうだからね」

「わ、面倒だとかなんか酷くないですか!?」

「…僕はまだ君と二人でいたいって意味で言ったんだけど」

「……へ?」

「それが例え血を分けた生き物だとしても、
君を取られてしまうのを許せるほど僕はまだ大人じゃないからね」

「……雲雀さんってたまにキュンとすること言いますよね……」

「単純な君はこういう生ぬるいことを言われるのが好きだって良く知ってるからね」

「…………キュンして損しました…」

「大体君が人の親になれるような器だとはとても思えないしね、
そんなこと考えてる暇があったら早く食べなよ」

「考えさせたの雲雀さんじゃないですかぁ!
もう今日はいいです、ごちそうさまでした」

「ワォ、言ったよね?それ以上貧相になられたら萎え……」

「いいです!二回も言われなくてもわかってます!
今はもう食べる気がしないだけですから!」

「どうして?」

「どうしてって…その……実は…正直苦手なんです…和食……お魚なんかもちょっと……」

「ワォ、初耳だね」

「我慢してたんです」

「じゃあずっと我慢してなよ」

「……たまにはイタリアンにしようとか言ってくれないんですか…?」

「君に合わせる気はないよ」

「……でしょうね」

「君の方こそ、
僕と寝食を共にするならこれくらい慣れなよ」

「慣れろって言われても……」

「そうだな、じゃあこういうの全部平気で食べれるようになったら、結婚してあげてもいいよ」

「……いいよって……なんで上から目線なんですか!?そんなプロポーズ嫌ですよ!」

「別に僕は君が望まないなら一生今のままで構わないからね、結婚なんてものには執着しないよ」

「……そういうひねくれたことばっかり言ってるとその内愛想つかされますよ?」

「そうなのかい?」

「いや……多分愛想つかすなんて生涯あり得ませんけど…」

「だったらせいぜい頑張りなよ、
僕の為に」

「……腹立つ!その顔すんごく腹立ちますけど……もう絶対雲雀さんより和食大好きになってやりますからぁ!!」

「君のそういう馬鹿素直なところ、
凄く可愛いと思うよ」








僕の為に尽くす君を見てるのが、
ただたまらなく好きなんだ







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