BLEACH

□林檎色の唇
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「お腹空いた…」


ぐーきゅるるるる…という音を鳴らして織姫がかわいらしく項垂れる。そんな彼女を横目にウルキオラは溜息をついた。放課後、千鶴の課題を代わりに請け負った織姫に付き合いウルキオラは織姫の隣の席で本を読んでいた。課題が終わったのかそれとも飽きたのか、彼女は大きく伸びをして机に頭をつけている。ウルキオラはパタンと本を閉じて織姫に声を掛けた。


「終わったのか。」


「あ、ううん…まだあと半分くらいあるよ!でも…お腹空いちゃった…。」


「気安く人の課題を請け負うからこんなことになるんだ。」


「う〜…でも、トモダチだし、千鶴ちゃんのこと好きだし、いいんだよ。今日はどうしても用事あって出来ないみたいだから。」


えへへ、と頭をかきながらなぜか頬を赤らめて話す織姫に、まったくこの女はどこまでもお人よしだなとウルキオラは呆れ果てる。その課題につき合わされているこちらの身にもなってほしいものだ―実際には織姫に頼まれて一緒に残っていたわけではないのだが、この課題が無ければ今頃は彼女の家でゆっくり2人の時間を過ごしていただろうにと、課題を不本意ながらも依頼した千鶴に心の中で舌打ちをした。


「貸せ。」


「え?」


「俺がやってやる。」


「ええ?!ウルキオラ君が?!」


「君をつけるな。呼び捨てにしろといっただろ。」


「…///」


「日が暮れる。早く貸せ。」


顔を赤くし、おずおずと課題を差し出す織姫の手からそれを受け取るとすぐに取り掛かりだすウルキオラ。織姫はそんな彼を見つめながらぼーっと想いを馳せた。


(…優しいなぁ、ウルキオラ君。)


一見冷たく見える彼だが、顔が整っているため実は女子から人気があるし本当は優しいことを織姫は知っていた。今日もこうして何も言わずに一緒に残ってくれている。それは実は織姫だけに見せている優しさであるから彼を独り占めできているような気がして織姫は嬉しかった。


「私だけがウルキオラのこういうところ、知ってるのかなぁ。」


「?何がだ。」


ウルキオラの問いかけに自分が心の声を漏らしてしまっていたことに気がつき織姫は慌てた。見ると彼は机の上をとっくに片していて帰る支度をしている。


「なんでも、ないよ!って…あれ?課題は…」


「あんなもの3分あれば終わる。ほら、帰るぞ。」


「あ、ま、待って!!」


ぽんと織姫の頭に課題が乗せられ、ウルキオラは廊下の方へと歩き出す。急いで筆記用具と課題を鞄に詰め込み、漆黒の髪の少年を追いかけた。


「待ってよぉウルキオラ!」


「…遅い。」


「ウルキオラが歩くの早いの!」


ぷぅっと頬を膨らませる織姫を見てふっと笑うウルキオラ。しかし思い立ったようにニヤリと笑い、どうしたの?と問いかけてくる織姫の言葉を最後まで聞かないまま、彼女のふっくらした唇にすっと口付ける。ゆっくり顔を離すと林檎のように顔を真っ赤に染めた織姫が口をパクパクと動かし声にならない声を出していた。


「〜///!!ウ、ウルキオラ…!!」


「課題の礼をもらっただけだ。」


「課題のお礼…ここ、学校だよ!!」


「誰も居ないんだ、いいだろう。」


「良くないよ!!良くない!!///」


耳まで真っ赤にしながら手をぶんぶんと振って怒っている彼女は怖くもなんともなく、寧ろ可愛くてもっとその表情や仕草を見たくなってしまうことに彼女は気づいていない。


―ウルキオラは織姫の腕を掴みぐいっと体を引き寄せて、林檎のように赤く瑞々しい唇にもう一度キスを落とした。



◆林檎色の唇◆

(…学校でするのも悪くないな。)
(え?!な、何を…!)
(何を?…ふ、わかってるだろ。)
(…ちょ、ちょっとま…っ!!///)



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アトガキ

初のウル織。なんか悲恋だからどうしても明るい話にしたくなります。
ウルキオラ大好きだぁ。なんとなくローに通じるところがあるからかな?そう思うのはきっと聖紫瑠だけ。ウルキオラは多分成績学年一位。


聖紫瑠




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