BLEACH

□お願いだから、
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「ウルキオラさん!!」


漆黒の髪をした青年が部屋に入ってくるなり嬉しそうに駆け寄ってきた織姫を、青年―ウルキオラは表情を崩さないまま優しく抱きとめる。最近織姫は世話係のウルキオラによく懐いて、彼が部屋に入ってくるととても嬉しそうな表情を見せていた。織姫の柔らかな身体が心地よく、不思議と顔に熱が集中しているのが自分でわかる。ウルキオラもここでこうして彼女の世話をするようになってから少しずつ変化を見せていた。


「なんだ。」


「ゲームをしましょう!」


「…ゲーム?」


「はい!!えーと…ウルキオラさんが負けたら織姫って呼んでくださいね!」


「何を「はいっじゃーんけーん!!」


「ぽん!!」


訳も分からぬまま織姫の掛け声と共に始められたゲーム。突然のことにウルキオラはつい手を出すのを忘れてしまった。


「はい!ウルキオラさんの負けですよ!」


「今のは無しだ。」


「駄目ですよぉ!勝負は勝負ですから!はい!!」


にこにこと無垢な笑顔を向けてくる織姫が可愛くて仕方ないのだが、名前で呼んだことなどただの一度も無い。好きな女の名前くらい呼んでやりたいのは山々だが、どうしても今のウルキオラにはそれが出来なかった。


「…女、こんなことをして何の意味がある。」


「だって、ウルキオラさん。女って…なんだか他人みたいじゃないですか。」


「俺とお前は他人だ。」


「他人じゃないですよ!だって私達はもう出逢ってるんですから。」


「…出逢っている…?」


「ね!だから、名前を呼んでほしいんです。」


―ゆっくりと、俺に侵食してくる井上織姫。こいつと話していると、目を見ていると身体中が熱くなる。


こんな俺を、俺は知らない。


「………お………」


「……。」


ゴクリ、と息をのむ織姫。両手を胸の前で組み、ただひたすらにウルキオラの声を待つ。


―その口から、名前が聞きたくて、呼んで欲しくてたまらない。


貴方の口から聞きたいの、貴方じゃなくちゃ意味が無い。


ねぇ。


お願いだから―


「……織姫…」


「…っ…!!!!」


真っ赤になった彼を見て彼は心を知っているんだと、私は嬉しくてウルキオラさんに抱きついた。


◆お願いだから、◆

(名前を呼んで!!)





―同じ頃、藍染の部屋―

「…くっ…」
「………藍染隊長、何してはるん?」
「…ウルキオラは他人や物に興味を示さない子でね。それがこんなにも織姫に興味を示し、心を知ってくれているのかと思うと…我が子の成長が…もう嬉しくて嬉しくて…」
「………頼むから鼻水拭きーな、藍染隊長。」

(ウル馬鹿。)

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アトガキ


アットホームほのぼの仮面側。私は仮面側を応援しています。

藍染はウルキオラ馬鹿(親馬鹿)。ギンは傍観者。グリムジョーは織姫が好き。

そんな聖紫瑠の仮面側。


聖紫瑠

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