BLEACH
□頼むから、
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「やったぁ!!!」
「くっ…」
「はい!じゃあお願いウルキオラ!」
「…もう5回目だ。そろそろいいだろう。」
「駄目ですよー!負けたんですから!」
「………俺は負けていない。」
「な!」
「俺は負けていない。」
「何を言うんですか!しっかり手にジョーカー持ってるくせに!」
「これはジョーカーではない。ジョーカーという名の「ジョーカーですよ!」
「っ……」
何故か藍染の部屋でトランプをしているウルキオラと織姫を、部屋の主の藍染と何故か部屋に居るギンがにこにこ(にやにや)しながらほほえましくその光景を見つめている。もう5回目の勝負だというのに未だ織姫に勝てないウルキオラは頬を紅くして言葉を詰まらせた。
「ほらウルキオラ、もう5回目なのだから恥ずかしがることはないだろう。」
「藍染様、あの…「そうやで〜、織姫ちゃんも待ってるやんなー?」
「だから…「早く早く!ウルキオラ!!」
ウルキオラの戸惑いの声は次々にかきけされ、どんどん反論という逃げ場を無くしていく。しかしさすがに5度目ともなるといい加減に違う台詞に出来ないものかと頭を抱えた。ナゼ、ナゼ自分がこんな恥ずかしい想い―もとい恥をかくようなことを言わなくてはいけないのか―それは単にウルキオラがトランプで負けたからなのだが、今の彼にはそんなことはどうでもよかった。
「ウルキオラ…言ってくれないの?」
「う…」
「ほら、織姫ちゃんかわいそうーやなぁ。」
「ウルキオラ、頑張ったらご褒美に好きな物を買ってあげるよ。」
「ウルキオラぁ…」
―ああ、くそ!上司が居ようと関係ない!
そんな可愛い声で、上目遣いされたらしょうがない!
「…………
織姫大好きだ!!!
どうしようもないくらい大好きだ!!!!!
大好きだ大好きだ大好きだ!!!!!
」
「……!!!!」
「ぜぇ…ぜぇ…」
「ウルキオラ、私も大好き!!」
―がばっと抱きついてくる織姫は可愛くて、こんな彼女を見てしまえば、何度でも負けたくなってしまう俺は相当彼女に酔っているのだろう。
口から出た言葉は確かに真実で。
藍染様と市丸ギンのほうを見ると二人とも和やかな顔で我が子を見守るような目で俺を見ていた。そんな顔はやめてくれと言っても、そんな顔をさせるようなことを言ってしまったのは他でもないこの俺で。
なあ織姫。
◆頼むから、◆
(もうこんな拷問やめてくれ!!)
―二人ならばいくらでも愛をあげるから。
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アトガキ
「ウルキオラは頭がキレるのにどうしてババ抜き下手なの?」(織)
ウル織+藍ギンでした。
ギャグ思考。
聖紫瑠