太陽

□《第二章》
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「それが新魔王だと言うのか!?」




騒ついたその場に突然、癪に触るようなアルト声が響きわたる。

四人目の超美形は、体格的にあたしと同年代の、えーと、女の子……、いや、男の子……?
とにかくめちゃめちゃ眩しい子だ。

透けるような白い肌、まばゆい金髪と湖底を思わせるエメラルドグリーンの瞳。
天使だ、まさに怒れる天使。


だけど、この場所にいるということは、彼(彼女?)も、美しき魔族、なのだろう。




「グウェンダル……いえ兄上、あんなやつの連れてきた素性も知れない人間を、王として迎え入れるおつもりですか!?」


あんなやつ、のところで、天使はコンラッドの方を鋭く睨む。


「ぼくはあんな薄汚い人間もどきを信用する気にはなれません!見たところ知性も気品も感じられない、その辺の街道にでも転がっていそうな小娘を……」

「ヴォルフラム!」



兄だというグウェンダルではなく、ギュンターが彼(?)の言葉を制した。



「なんという畏れ多いことを!陛下が広いお心をお持ちでなかったら、今頃あなたは命を落としているところですよっ」


心が広いってのはあたしのこと?
他人事のように考えてしまう。


「口を慎みなさい。陛下を畏れぬ物言いは、たとえ王太子の貴方でも許されません。
それに……コンラートのことを悪し様に言うのもおやめなさい。仮にも貴方の兄上なのですよ」



………あれ?




聞いているだけのあたしには、人物相関図がゴチャゴチャになっていた。




グウェンダル、コンラート、ヴォルフラム。



魔族三兄弟。



「……えぇ!?に、似てないι」

「それは、申し訳ない」




コンラッドが、にこやかに言った。
こんなことにはもう慣れてる、という表情だ。



「それぞれ父親が違うんです。ま、似てようが似てまいが、血の繋がりを無効にすることは出来ない。 グウェンダルは俺の兄で、ヴォルフラムは弟です。
おそらく二人はそんなこと、口にしたくもないだろうけど」



あなたは?と、あたしは心の中で訊いた。


コンラッドは、彼等をどう思ってるの?


だけどその疑問を口にするよりも早く、全員の視線は再び自分に固まっていた。
陛下の御前、というギュンターの一言で。






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