太陽

□《第六章》
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「そう。それから泉にはだーれも入れなくなって。入るとビビビっと痺れちゃうんだけども。
ひどい人は心臓止まっちまったり、大火傷したりで湯に触らず奥の泉まで行って、魔物を見た人が一人だけいるんだけどもね、なんか銀色でビカビカしてって、掴もうとしたらあまりのことに気ィ失っちゃったんっす」



銀色でビカビカしてて、掴もうとしたら気絶させられた!?ι



「そいづは半死半生で発見されって今でも意味わがんねっことぶつぶつ言うらしんっすけどもね。
顔の火傷はとうに治ってっのに、顔が顔がって喚くんですってさ」



うわ、なんのホラーですかそれは。ι
けどそれって、魔物じゃなくて魔剣なんじゃないかな。
ということは魔剣をゲットして持ち帰れば、閉鎖された泉も元通りになるかもしれない。
眞魔国の強さもアップして、他国に侵攻される心配もなくなる。
おまけに王様としての権威も増し、全てにおいて万々歳だ。






「………銀のビカビカを掴めりゃぁな」

「ヨザ!」

「だってそーだろ?これまで何十人もが被害にあってるんだぜ?
嬢ちゃんだけが無事って保証はねーじゃん」



お庭番が縁起でもないことを言う。
ディズニーの兎みたいな笑い声を軋ませて。



「ま、心配しなさんな。もしそうなってもオレたちが、縄で吊ってまたお船で連れて帰ってあげっからよ」

「ヨザ!無礼が過ぎる」



あたしは咄嗟に手を叩いた。

そうだよ、船じゃん!?







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