□妬
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小太郎の様子がおかしい
ほんと些細なんだけど
なんか俺に対する態度が
冷たい感じがする


「小太郎、何か怒ってる?」

「…」

佐助が聞いても小太郎はそっぽを向いていた。


(これかなり怒ってる
俺何かしたかなぁ)


はぁ、と溜め息をつき小太郎の方を見た。縁側でひなたぼっこしていた猫を易しく撫でる姿は、普段の仕事のときの姿とはかけ離れていた。

「ねぇ、俺何かした?したのならちゃんと小太郎に謝りたいんだけど」

「・・・」

「無視か、じゃあ何が何でも口を割ってみせるから」

そういうと小太郎の腕をぐい、と引き寄せそのままキスをした。
小太郎は離れようと試みたがどう足掻いても抜け出す事は出来なかった。

「じたばたしても無駄。力は俺の方が強いのコタ知ってるデショ?」

耳元でそう囁けば一気に小太郎の顔が朱に染まった。

「素直だね。それじゃ、いた『にゃ〜』

足元を見ると先ほどまで小太郎とじゃれていた猫が自分も構ってくれといわんばかりに擦り寄っていた。

「猫?悪いけど今はこっちの猫とじゃれたい気分なんだよねぇ」

それでもお構い無しに猫は擦り寄ってくる。


(猫、そう言えばさっきも町で猫と会ったなぁ…
そのあとから小太郎の機嫌が悪くなって、…もしかして)


「ねぇ、さっき町に居た?」

「コクン」

「俺が猫抱っこして女の人と話してるの見たんでしょ」

「…コクン」

「やっぱり。あの人はあの猫の飼い主さん。あの猫よく逃げ出してて、今日はたまたま俺がその猫を捕まえてたって訳。つまりあの人とは何もしてないよ。キスもHもね」

「///」

ぎゅっと小太郎を抱きしめ触れるだけのキスをした。先ほどまであんなに抵抗していたのが嘘のように今は佐助を受け入れている。

「このまま続きしてもイイ?」

そう聞くと返事の代わりに佐助の頬にキスをした。


Fin

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