小説

□続・あの人は問いました。
1ページ/1ページ



僕は問いました。



「何故、あきらめないのですか?



何故、頑張らなければいけないのですか?



頑張ったところで何になるのですか?」



彼女は彼女の答えを言いました。



「何故、あきらめなければいけないの?



何故、何もしていないのにあきらめられるの?



頑張るのは、頑張った分、素敵なモノが返ってくるから。



自分の、素敵な経験になるから。」



でも、僕はわかりません。



何故、頑張るのか。



何故、あきらめないのか。



彼女は言いました。



「だって、悲しいでしょう?やらずにあきらめるのは。



辛いでしょう?なにもかもに絶望するのは。



まだ、早い。絶望するには早すぎるわ。



それに・・・・・・・・・・頑張るコトに理由がいる?」



彼女の目は真っ直ぐに僕を見ていました。



決して絶望にひれ伏さない真っ直ぐな瞳でした。



僕は思いました。



――あぁ、僕は逃げていただけだ。



言い訳をして、逃げていただけだ。



僕にもできることがあるはずだ。



彼女の言うとおり、絶望するのは早すぎる。



あきらめずに、なにかをしよう。僕にできることを――




僕はもう一度・・信じることにしました。




彼女を。自分自身を。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ