小説
□続・あの人は問いました。
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僕は問いました。
「何故、あきらめないのですか?
何故、頑張らなければいけないのですか?
頑張ったところで何になるのですか?」
彼女は彼女の答えを言いました。
「何故、あきらめなければいけないの?
何故、何もしていないのにあきらめられるの?
頑張るのは、頑張った分、素敵なモノが返ってくるから。
自分の、素敵な経験になるから。」
でも、僕はわかりません。
何故、頑張るのか。
何故、あきらめないのか。
彼女は言いました。
「だって、悲しいでしょう?やらずにあきらめるのは。
辛いでしょう?なにもかもに絶望するのは。
まだ、早い。絶望するには早すぎるわ。
それに・・・・・・・・・・頑張るコトに理由がいる?」
彼女の目は真っ直ぐに僕を見ていました。
決して絶望にひれ伏さない真っ直ぐな瞳でした。
僕は思いました。
――あぁ、僕は逃げていただけだ。
言い訳をして、逃げていただけだ。
僕にもできることがあるはずだ。
彼女の言うとおり、絶望するのは早すぎる。
あきらめずに、なにかをしよう。僕にできることを――
僕はもう一度・・信じることにしました。
彼女を。自分自身を。