白き鬼

□第2話 ある日の1日
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それは斬影と町へ買い物に行った数日後の事。

「じゃ、留守は任せたぜ」

斬影はその日、朝早くに出掛けて行った。この日は大和一人で留守番という事になる。
夕方には戻ると言うので、それまで大和は掃除やら洗濯やらの家事をこなす。

彼らの住む家は人里から少し離れた山の中腹にある。
その山は野生の獣だけでなく妖獣、妖魔も出る為、人は滅多に近付かない。
斬影はあれでそれなりに腕の立つ剣士で、鍛練の為にこの場所を選んだのだという。

そんな場所だから来客も無い。
大和は薪割りをしながら、ぼんやりと空を見上げた。
木々の間から見える空は青い。
と――

「……またお前か」

大和はぽつりと呟いた。
大和の頭の上に、何やら白い毛玉のようなモノが乗っている。
この毛玉は大和が一人でいる時やって来る、この山に住む妖魔の一種だ。
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