白き鬼
□第4話 子供達の事情
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ある晴れた日の昼下がり。
のんびりと茶をすすりながら、斬影が口を開く。
「いや〜、今日は良い天気だなぁ」
「……そんなの朝から分かってる」
「……お前な。またそういう可愛げの無い事を……」
隣で団子を食べている大和に、斬影は半眼で呻く。
「そこはこー……相づち打つとか……何かあるだろ」
「…………」
大和は斬影の言葉を聞き流し、湯のみに手を伸ばす。
この日は、大和を連れて町へ買い出しに来ていた。ただの荷物持ちでは大和は町へ来たがらないので、こうして茶屋で団子など食べさせている訳だ。
茶が思ったより熱かったのか、僅かに口を付けただけで、大和は湯のみを置いた。再び団子に手を伸ばす。
その時、すぐ側で茶を飲んでいた別の客の会話が耳に入ってきた。