白き鬼

□第8話 邂逅(後編)
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「すっかり暗くなっちゃいましたねー」

窓の外を見て、小夜がぽつりと呟く。

「……そうだな」

「月が綺麗です♪」

「…………」

どこまでも明るい――というか、軽い調子で小夜は窓の外を眺めている。
大和は無言でため息をついた。
大和が何か言うより先に、彼女が小さく呟く。

「……そろそろ村の人が迎えに来るかも……」

その声には――先ほどまでの明るさは無かった。
小夜は窓から離れて、大和の正面に座る。
にっこりと笑って、

「ありがとうございました。私、父も母も四年前に病気で亡くして……独り暮らしだったので、側に人が居て嬉しかった。大したおもてなしは出来ませんでしたけど……私は楽しかったです」

「…………」

彼女がそう言った時だ。
静かに――戸を叩く音が響いた。
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