白き鬼
□第13話 百年の時(後編)
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久遠はひたすら走り続けた。
(こんな所に人間……しかも退魔師がいるなんて!)
胸中で呻いて、久遠は妖気を解放する。
そして、この辺り一帯に幻術を仕掛けた。
真っ白な霧が辺りを包み、この霧の中へ足を踏み入れた者に、様々な幻を見せる。
これで少しは足止め出来るハズだ。
(鬼様の所へは行かせない!)
二人ほど付いて来ているようだが、この霧の中で自分に追い付ける者はそうはいない。
『鬼様ぁぁぁぁぁっ!』
久遠は森の中心――鬼が休んでいる場所に急いだ。