白き鬼
□第15話 旅の終わり
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あれから一ヶ月が過ぎた。
一ヶ月前、北の空に巨大な光の柱が天に昇り、それを境に鬼の襲撃がぴたりと止んだ。
鬼に襲われ壊滅状態にあった村や町は、徐々に復興の動きを見せ始めている。
また、鬼を恐れ他の土地に移っていた者達も、自分の住んでいた場所へ戻っていく。
少しずつ人々の生活に笑顔が戻りつつあった。
「ねっ。知ってる? この辺りを襲ってた鬼って退治されたんだって」
「そういう噂だろ?」
「でも、一ヶ月前に光の柱が空に現れて……あれ私見たけど綺麗だった……じゃなくて、あれは鬼が封印されたか倒されたかどっちかだって。鬼に襲われる事も無くなったんだし、倒されたのは本当だと思う」
「どっちでも良い。そんなの。どうせ妖魔が全部居なくなった訳じゃないんだ」
「…………」
町の住人がそんな事を話しているのを聞いて、小夜は大和の顔を見上げた。