白き鬼

□第4話 子供達の事情
3ページ/77ページ

「あっ!」

駄菓子屋で買い物をしていた綾那は、ふと目に入ってきた人物を見て、思わず声をあげた。

「おばあちゃん! これも包んで! この花柄の袋が良い」

「はいはい」

言われるままに菓子を包む老婆。綾那はその袋を受け取ると、駆け足でその人物の元へ急いだ。



「……さぁ〜てと。そろそろ行くか?」

「……ん」

すっかり冷めた茶を飲み干して、大和は頷いた。
席を立とうとした――その時。

「ちょっ……ちょっと待って!」

「ん?」

突然、呼び止められて、斬影と大和はそちらに視線を向けた。
視線の先には小柄な少女が一人、肩で息をしながらこちらに近付いて来る。

「……お前」

「知り合いか?」

「……知り合いっていうか……」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ