白き鬼
□第4話 子供達の事情
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「あっ!」
駄菓子屋で買い物をしていた綾那は、ふと目に入ってきた人物を見て、思わず声をあげた。
「おばあちゃん! これも包んで! この花柄の袋が良い」
「はいはい」
言われるままに菓子を包む老婆。綾那はその袋を受け取ると、駆け足でその人物の元へ急いだ。
「……さぁ〜てと。そろそろ行くか?」
「……ん」
すっかり冷めた茶を飲み干して、大和は頷いた。
席を立とうとした――その時。
「ちょっ……ちょっと待って!」
「ん?」
突然、呼び止められて、斬影と大和はそちらに視線を向けた。
視線の先には小柄な少女が一人、肩で息をしながらこちらに近付いて来る。
「……お前」
「知り合いか?」
「……知り合いっていうか……」