白き鬼

□第6話 空の涙(後編)
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店主は検分を終え、代金を斬影に手渡す。

「何が原因なのか分からんが、アンタも気を付ける事だな。餓えた妖魔の餌食にならんように」

「ああ。せいぜい気を付ける」

金を受け取り、斬影は店を後にした。
店を出て見上げた空には、何やら黒い雲が――西の方から――流れて来ている。

「…………」

暫しそれを見詰めて、

「……天気が変わる前に帰るか……」

そう呟くと、斬影は買い物を済ませ、足早に歩を進めた。
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