原作沿い

□第4話
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「今日のところはここらへんにしとこう。そろそろ交代の時間だ」
「痕跡があるのに?」
「そんなに急ぐ事じゃない、一度火影様に報告した方がいい。やはり忍であることは分かったからね」

木の幹や枝が擦れていて木の上を通った跡が所々見られる。

「今日の所は引き返そう」
「…!今、悲鳴が…」
「確認しに行こう!」
「はい!」

すぐさま声が聞こえた方へ向かって走っていく。
暗部を離れて初任務だから、それとも尊敬するカカシさんとの任務だから、変に力が入ってしまう。
「普段通りに」と考えれば考えるほど、それは逆効果だ。

しばらく行った先に、木ノ葉の忍が2人倒れていた。

「大丈夫か?!何があったんだ」

カカシさんの問い掛けに彼達はピクリとも反応しない。
駆け寄り体を起こさせようとした時、自分の手にぬるりとした感覚が広がる。
見れば、その者の血が掌いっぱいに着いてしまっている。

「コッチも駄目か…」

今日は満月。不気味な程綺麗な輪郭がポツリと闇に浮かぶ。
月光に照らされた、血に濡れる自分の手から視線が離せない。
カカシさんの声が遠くに聞こえる。
こんな光景、今までだって散々見てきたじゃないか。なのに、どうして…
胸のあたりがざわついて仕方ない。

「血、怖いの?」
「…え?」

唐突な質問にどきりとする。
血が怖いなんて事は、ない。

「いえ…」

今日は暗部を離れてからの初任務で、尊敬するカカシさんと一緒だから、変に力が入ってしまっているんだ。
そう自分に言い聞かせても拭えない不安感。

――何かが起こる。
嫌な予感がした……



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