しゃいに
□お留守番
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彼等の居ない家。初めてここへ来た時のように静まり返った空間。ただ、昨日より少しだけ温かかったーーー…
“彼等の家族になってやってくれないか?”
この言葉で私の日常が変わって2日目。新手の詐欺とも疑わず着いて来た自分が今となっちゃ信じられないが、それでも昨日の自分を褒めてもやりたい。
シャワーを浴びて濡れた髪をタオルで拭きながら、ぼんやり時計を眺める。
「9時半…」
ぽつりと呟いたその時、
ーーーピンポーン
突如鳴り響くインターホン。
ビクッと心臓が跳ね上がる。
速くなる鼓動を抑えながら視線はインターホンの方へ。
…彼達の家に、私一人。
(ーーー誰?私…出るべきなの?)
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