てきと。

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ノ「………………」

ノエルは宿舎に戻り寝床に着いたは良いものの、今日の出来事が脳裏に焼き付いて離れない。

『ノエルーーーっ!!』

思い出すと赤面してしまう。妹や母親に抱き着かれようが何とも思わないのに……。しかも…
(あれ……絶対姫さんじゃん!!!)

そう、格好や雰囲気は違えどその容姿は姫と瓜二つ。
そうだ……!姫さんに抱き着かれてビクともしないなんて逆におかしい。あれは、緊張だ。
この心臓のうるささの原因を正当化しようと必死なのであった。



ーーーーー……


二「もぉ……っかい!!」

手に神経を集中。一点に魔力が集まるように。ゾクっと背中が震える。身体が熱い…
ブゥゥン
手の先に小さな光の球体が浮かび上がる。

「で…きた!!」

輝くそれに目を奪われる。
自分がこれを作った……得も言えぬ感動に胸が高鳴る。

「ライトーー!出来たよッほら!」

彼に声を掛けると、手元の本に目を落としたままグッドのサインを出す。
OKが出た事が嬉しい反面、ちゃんと見て欲しさから声を掛ける。

「見て見てっ!綺麗じゃない?」

彼は何も言わず手をヒラヒラとする。

「なによっ!見てくれてもいいじゃない」

ブーっと頬を膨らませ拗ねる。すると、練習のし過ぎか視界がグラリと曲がった。気付けば視界いっぱいに星空が広がる。

「綺麗…」
(助けてくれてもいいじゃん)

彼は全く駆け寄ろうともせずに、視線は相変わらず本に向かっている。

「あ…何これ……」

急激な眠気。これ、前も同じ事あったような。

何だっけ?と答えが出る前に、意識が遠のいていった。


母英語で「おいで」

その呼びかけに母の元へ駆け寄る。

英語で「なーに?」
母「私ね………」



ーーーーーー…


「んん…」
「起きたか」

銀髪に…青い瞳。
あぁ、そうか。目覚める時、どうしてもこの虚しさに襲われる。

「ん??あれ、私…昨日特訓してて」
「んじゃ、俺はもう行くよ」
「えっ、ちょっと…」
「お前、慣れないくせに魔力出し切りやがって。丸半日寝てたんだぞ、とりあえず飯はしっかり食っとけ」

“じゃ”と目を合わせず部屋を後にした彼。

「丸半日…12時間?!」

ベッドから降りると身体がだるい。

「……お礼また言えなかったな。ここどこだろ…」

とりあえず部屋を後にし、1階の食堂へ向かった。
 

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