てきと。
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深い深い夢の中へ―――
小さなお城の模型を手にとる。
今まで見たことのない、何か違う異様な雰囲気を纏ったそのお城。
細部までこだわっているその模型を眺め、小さなあくびをする。
眠気が気持ちよく、うとうとと物思いに更ける。
「こんなお城に住んでみたいな…」
(綺麗なドレスを着たお姫様がいて、舞踏会なんてあったり…)
意識を手放す寸前で1人思う…
(夢でいいから、このお城へ行ってみたい…)
「カッコいい王子様…が迎えに来て……」
コトンッ…
手のひらの中のお城が床に転がる。
―――目覚めることない、夢の中へ…
『ようこそ』
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