灰色ロータス
□第一夜…失踪していたエクソシスト
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その頃、教団内にある科学班では。
《ザザザ……》
「?室長、今通信入りませんでした?」
「え、本当かい?」
疲れ切った顔のリーバーが、同じく疲れ切った様子の黒の教団室長、コムイに問いかけた。
コムイはリーバーの声に、机に向けていた顔を上げる。
「何か聞こえた気がするんスけど…」
「どれどれー?…あれ、本当だ。神田君から」
「神田?ああ、確か今日任務から帰って来るんじゃ…」
そう口々に話す科学班一同の耳に、突如聞こえて来た騒音。
《ドギャーンッ!!!!!!》
「「!?」」
通信機を通して聞こえたそれに、一同は顔を見合わせる。
「室長!」
「敵襲かもしれない。神田君の居場所を突き止められるかい?」
「はい!ジョニー、今の通信の発信源を探ってくれ!!」
「は、はい!!」
「どうかしたんですか?」
「どうかしたさー?」
「!アレン君にラビか…」
科学班の騒ぎを聞き付けてやって来たのは、たまたま通りすがった白髪の少年――アレンと、赤毛の青年――ラビ。
二人は何やら慌てている班員達を不思議そうな目で見ると、コムイの元に歩み寄り事情を問い掛ける。
「今ユウがどうのとか言って無かったさ?何かあったんか?」
「ああ、それが《ドガッ!!》…!?」
「…今何か通信機から凄い音しませんでした?」
「アレン君、ラビ、二人共静かに!」
コムイに言われ、二人は素早く口を閉ざす。
一同は通信機に寄り添い耳を澄ました。
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