灰色ロータス
□第一夜…失踪していたエクソシスト
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「やっと通じた;」
神田と謎の人物が色々な意味で戦っている中、そんな事は知らない科学班一同から安堵の声があがる。
「通信は繋がりましたか?」
「うん。繋がったよ。今の怒鳴り声なら取り敢えず無事みたいだね」
「ユウ大丈夫さー?」
ラビがふざけた様に問い掛ければ、機械を通して聞こえる低い声。
《斬り刻むぞ馬鹿ウサギ》
「…そ、その様子なら大丈夫そうさ〜」
「室長、今ジョニーが神田の居場所調べたんスけど…」
「何処なんですか?」
アレンが神田の居場所を問い掛ければ、リーバーは何故か視線を彷迷わせながら沈黙した。
それに対し一同が不思議そうな顔をする中、遂にリーバーが口を開く。
彼が掴んだ、神田の居場所は―――…
「教団前の崖の下です」
「「「「「は?」」」」」
思わず全員が固まった。
リーバーの言葉はかなり予想外なものだった様で、やがて我に返ったアレンは驚きのままに声を発する。
「って、近ッ!!本当なんですか、神田?」
《知るかよ…その辺なんじゃねぇのか》
「いや、知れよ。…任務帰だよな?」
《そうだ》
「じゃあ誰と戦ってるんだい?」
《よくわかんねぇ鮫連れた変な「ちょっと待って神田君!!」 …何だ》
神田の言葉を遮り、何故か額に汗を浮かべたコムイが問う。
「鮫…?」
《ああ》
「……その子、エクソシストかい?」
《…団服は着てる》
神田はコムイの声が震えている事に疑問を感じたが、視線は目の前に立つ人物に向けたまま、そう答えた。
長い沈黙。
やがてコムイが再び問う。
「神田君、その子……髪は何色?」
《…わかんねぇ。おいテメェ、だからフード取れって言ってんだろ》
《しつこいですねー。スクアーロ、こいつ咬んじゃって下さーい。おもいっきり》
「神田君その子確保!!!!」
通信機から聞こえて来た神田以外の人物の声。
それを聞いた途端、コムイの大きな声が響いた。
それを聞いた外の二人はそれぞれに反応を示す。
《…は?》
《(あれ、今の声――…)…ロン毛パッツンさーん。もしかして、この近くに黒の教団ありますかー?》
《…上見ろ。真上》
《………………あ》
「神田君、その子確保」
《わかった》
《え、いや…来ないでくださー―――》
うぎゃー。
銀色の人物はよく分からない悲鳴と共に、神田によって確保された。
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10.8.23…加筆修正。
次ページに後書き的解説。一応寄って行って下さい。