ぼかろ小説A

□せめて夢の中で
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「…あ…。わ、わたしは…なんてことを……っ!!」

手に持ったものが落ちる。

ごと、と音を立てて落ちたそれは、鈍く光っていた。

「…レン、レンっ――!」

きみは倒れたまま、動いてはくれない。

わたしがいくら呼んでも、目を覚ましてくれない。



「…あ……ぅ……。」

涙が溢れて、視界を狭くする。

わたしは、あなたといっしょに、いたかっただけ、なのに…っ!


なんで…わたしは…っ!


わたしは…っ!


わたし、は…。


「……レン。」

もう動かないきみに話しかける。


「…だーいすき、だよ。」

…きみと、ずっといっしょに、いたかったなぁ…。

手から落ちてしまったものを拾い上げる。

もうこの世では、かなわないのなら。



せめて夢の中で

(わたしたちが幸せになれたら…)



あとがき

お題で書きましたが、実は続きものです。

レンを壊してしまったリンバージョンの。

…だって、あーく様のお題がぴったりだったんですから。

…実はこのバージョンは書く気が無かったのです。

あーく様のお題があったからこそ、ですね。

…ヤンデレって、みんな殺しちゃうのが当たり前ですか?

そんなイメージ、無いんだけどなぁ…。

…わ、わたしのせいです。

ヤンデレは難しい。

…のわりに筆が進むのは何故だ。

あーく様、お題提供、ありがとうございましたっ!

8/2 凍都









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