小話

□ひとりぼっち…?
1ページ/1ページ

「…ハク?」

家に帰っても、誰もいないと思っていた。

だって今日から、カイトもメイコもミクも双子も、

みんなマスターと一緒に出張に行く、と話してたから。

帰ってくるのは明後日らしい。

「…アカイト、さん…?」

顔をあげたハクの目は少しうるんでいて。

「…どうした?」

そう声をかけると、

「よかった、です…。アカイトさんが帰ってきてくれて…。」

そう言って涙目のまま微笑んだ。

その顔が、その。

「ど、どういうことだ?」

少しハクから目をそらしながら、聞いた。

「…みんな。」

ハクはうつむいて、

「…いつまでも帰ってこなくて…。」

震えた声で、言った。

…まさか。

「だ、だから…、わたしはいらない、から…置いていったんじゃないか、と思って…っ!」

「…置いてなんていかねえよっ!」

そう叫んでいた。

「…えっ?」

顔を上げてまっすぐに俺を見るハク。

…だめだ。

この顔は、やばい。

黙っていると、

「アカイト…さん…?…今、あの、どういう、意味…ですか…?」

そのまま聞いてくるハク。

「な、な、なんでもねえから、はは、早く寝ろっ!あいつらは、マスターと一緒に出張だっ!」

「そう、でしたか…。出張…そういえば、そうでした…。…おやすみなさい、アカイトさん。」

リビングからハクが出て行き、

リビングには俺一人が残された。

「…ったく。」

小さくなげやりに呟いたその顔は、少し赤くなっていた。



ひとりぼっち…?



あとがき

こんな形ですが、実は初めて書いたアカハクです。

…こんな感じ、ですかね。

一応家族設定ということで。

誰が家族かは、……ご想像にお任せします。

読んでくださって、ありがとうございましたっ!

8/10 凍都









.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ