小話
□雨煙
1ページ/4ページ
-起-
雨が降っている
やけに冷たい雨だ
男が一人。煙草に火を点けようとするも、既に濡れていて点きそうにもない
竹林の中の細い道
竹の細い葉は雨を受け止める事無く、ただただ下へと流してゆく
「彼は居るのだろうか…」
ともすれば雨の音に紛れて消えそうな独り言を男が呟く
雨に煙る細道の先に一軒の小さな庵が見え隠れしている
男は煙草を諦め、その庵に向かって足を急がせた
→
次へ
[
戻る
]
[
TOPへ
]
[
しおり
]
カスタマイズ
©フォレストページ