逸話
□崩壊ヘノ序曲
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…夜の雨…雨音が全てを包み隠す様に降りしきる…
部屋の中にあるのは二人の呼吸と心臓の音…
…朝見たソレを忘れたい為…私はユナを求める…
ユナの愛撫が私を支配する…
そして例え様の無い快楽が…二人だけの空間を支配する……
…雨よ止まないで…
山の頂上に一人
李積が居る
いつもの温厚な彼は此処には居ない…
「雨が止まない…だと?」
空を見上げ呻くように呟く…
そこに一人の女修験者の姿が
李積はそこに近づく彼女を解っていたのか、その佇まいを崩す事が無い…
「白煙様、お伝えしたい事が…」
「IRよ…この空間に一人で降り立つ事が出来る様になったか…」
大きな旋風と共に…
二人の姿は何処にも無かった…
-了-