SPIRAL
□試験前日
1ページ/3ページ
「はあ・・・」
「どうした?
あんたが悩んでるなんて珍しいじゃないか」
「何か嫌味に聞こえますね・・・じゃなくてっ!
鳴海さん、これ解けますか?」
そう言って数学の問題を渡す。
明日から期末試験が始まる。
いくら一度高校生活を以前送ったことがあると言っても知識はだいぶ抜け落ちているので試験は難関なのである。
「これか?
・・・簡単じゃないか」
「そうなんですか?」
「ああ」
「あの〜、鳴海さん?」
「何だ?」
「教えてくれないんですか?」
そう尋ねると鳴海さんはため息をついて言った。
「あのなあ、教えてもらうだけじゃ数学は身に付かないんだぞ?
もっと頭を絞れ」
「絞ってますって!!!」
「絞ってたらこの問題が解けない筈がない。
せいぜい一夜漬けでもして頑張りな」
ああ、この人とんでもなくろくでなしだ・・・