BL小説2
□善意の悪戯
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親友同士の再会が果たされ、平和な日々が過ぎて行く教会でのとある日
テイトとミカゲは、カストル司教たちに呼び出されて無人の礼拝堂へと歩みを進めていた
「…なんだろうな、俺たちに話って」
「さあ……‥」
礼拝堂に着くと、ノックをしようとする前に中からラブラドールが扉を開いて出迎えてくれた
「もうすぐ来るって、花たちが教えてくれたんだ。さぁ、入って」
優しい笑顔のラブラドールに二人はペコリと頭を下げ、奥に居るカストルにも挨拶をする
「良く来ましたね。実は少しばかり、気掛かりなことがありまして………あなた方に してもらいたい事があるのですよ」
カストルもまた、微笑みながら声を掛けてくれたが
それはどことなく真面目な声色だった
何やら鉄製の特殊な輪っかのような物を持ち、テイトたちのもとへ歩み寄る……
……カシャン ッ‥……
「「…‥え…?」」
その輪っかは、テイトとミカゲを繋ぐように 片方ずつそれぞれの手首にガッチリとはめられる
何が何やら分からないといった表情で、暫く呆然とその手枷を見つめるしかなかった
そこへ、背後から急にポンッと二人の肩を乱暴にたたき、ニヤニヤとしたフラウが顔を出した
「お前らには、今日から暫くその手枷をつけたまま生活してもらうってことになったぜ。頑張れよー?」
その言葉にかフラウになのか、テイトはギョッとして青ざめ、ミカゲは不思議そうにきょとんとしていた
何か深い意味があるのだろうかと、皆で静まり返る
「………それはね、君たちが何気なく一人になったとき、前触れもなく良くないことが起きるという ラブラドールの予言を阻止するための手段なのですよ」
その沈黙を破り、説明に口を開いたのは真面目な面持ちのカストル司教だった
しかし、その緊張を和ませるかのように フラウがテイトとミカゲの頭を乱暴に撫でる
「…ってのは冗談で!ほんとは、お前らがくっついたままどこまで生活難を堪えられるかっつー俺様の遊び心なわけよっ」
「なっ‥!ふざけんなフラウ!!」
すかさずテイトが食って掛かるが、ミカゲが笑いながら よせと制止をかけた