ヒカリモドキ

□2 ヒカリさがし
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いつもの見慣れた町の風景がだんだんと
見たことのない景色へと変化していく


昨日私は光を私に与えてくれた人
…名前は言えないことになってるけど
その人の所に行って来た。
するとその人…(Aさんとする)
Aさんは私の顔を見て本当によく言う
「ギョッとした」というような顔をした。
そしてこう言った。
「あんた、えらい人相が変わってしもたな。」

私は呆然とした。
あの時 光を与えてもらってその時Aさんが
「こりゃあもうあんたは美人さんとしかこれから言われなくなるね。」
まんざらでもなくそう言ってくれたことを
ずっと ずっと昨日まで信じていた私は
本当にショックを受けた。
けれどその時、私の心情を見通したかのように、Aさんはどこかからか小さな手鏡を持ってきた。
私はその手鏡を手渡されてゆっくりとした動きでそれを顔に近づけていった

そこに写っていたのは、いつもの     あの光を浴びた時「出来た」顔があった。
 けれど、何かが変わっていた。
なんとも言いあらわせられないけれど、
Aさんの言った「人相が変わった」
という表現も間違ってはいない、という
のは確かだった。


その後私はAさんに静かにこう言った。
「Aさん…私、何も、何もしてないのよ?
悪いこととか1つも!! なのに…なのに私…
今、全然、幸せじゃないの! どうして?ねぇどうしてなの?」
もう途中から怒りをこめたというかとにかく
感情がものすごくこもった感じになりながら
私はそう言い切った。

最後私は泣いていた。
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