SS
□臆病者
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「月が綺麗ですね」
「ああ、そうだな」
お決まりのこの台詞
あなたと月を見るときは必ずこの言葉を言う。
こうしてあなたと肩を並べて見る月は、本当に綺麗だと思えた。
だけど私の心は、あなたと一緒に月を見れる嬉しさと、淋しさが入り交じっている
いつになったら気付いてくれるのでしょうか
毎回毎回呪文のように繰り返す愛の告白に。
「どうかしたのか?」
突然声をかけれてハッと我にかえる
彼は不思議そうに顔を覗き込んでいる。
顔が近いです!
「…いえ、なんでもありません。」
恥ずかしくなり俯く私。
それに、よく考えてみると、あの台詞の意味を知られたら、恥ずかしすぎて死んでしまいますよ!
「そうか?悩み事でもあるなら、お、俺でよければいつでも聞いてやるからな!」
照れながら視線をそらすあなた
では一つよろしいでしょうか。
好きな人が愛の告白に気付いてくれません。
どうすればよいのでしょうか?
なんて言えたらいいんですけどね。
end
補足
月が綺麗ですね=愛してるよ的な