裏会

□その後の2人【4】
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それはそろそろ夜も明けようとしていた頃。空は白くなりかけていた。
だが周りを見渡すと鬱蒼と覆い茂る大きな木々が、その光を遮って暗い。そして目の前には大きな滝が轟々と大量の山水をその下の滝壺に打ち落としていた。

『ああ、今回もまた辺鄙な…』

『イヤイヤ…お前、これは…。』

その前に立ち尽くす2人は、言葉を吐くのが困難になっていた。

前回に引き続いてその場で依頼されたのは、この地の調査と修復作業。
ここは阿迦流比売神の地から遠く離れた山の中で、ここを抜けたところに小さな集落があるらしい。
まずはこの滝周りを調査してから村に向かえと正守から言われたので、蜈蚣にここまで送ってもらったのだ。

『なんだ、ココ。なーんもねーじゃん…。』

だが、調査といってもここに気になる気配など本当に何にもないのだ。

『おかしいな…こんなに大きな滝に何も感じないなんて…。』

『お前でも何にも感じないのか…。』

能力ゆえにひと際気配に敏感な時音でさえ、匂いも痕跡も何もないのだ。
こんな事は初めてだ。まるで何かにゴッソリ削がれてしまったかのように空虚な土地。こんな大滝には普通、水神様が寝ぐらにしているものだ。実際、滝のまわりには簡単だけど結界の為であろう注連縄が施されている。

時音はその注連縄に手を触れて、また目を閉じて辺りを探る。しかし状況は何も変わらないのだった。

『…駄目か、時音?』

『うん。ここには何にもない。』

『そっか…。』

そう言って良守は気に入らないというように口元を下げた。
良守もこんなことは初めてだった。
敵か何かに削がれたと考えるのが妥当なのだろうが、その場合は抵抗の傷跡が残るものだ。もちろんそんなものは何も無かった。本当に、一瞬で何もかも無くなってしまったみたいなのだ。
左は顔を見合わせて眉を下げる。
このままここに居ても状況が変わらないと判断した2人は、村に向かって結界を繰り出しながら山を抜けるのだった。





ーーーーーー鄙びた温泉宿が今回の滞在場所だ。宿の人の話では、100年以上の歴史を持っているとの事だ。
今時珍しい茅葺き屋根に、完全木造の古い宿。
こんなに辺鄙に見える小さな集落だが、ここの他にもあちこちに宿が乱立していた。
聞けば連日、満室状態なのだとか。
大層栄えているようで、温泉街と言われている通りはそれらしい町並みが作られていた。

今度は普通の部屋が用意されていた。
窓を開けると、すっかり明るくなった空に、目の前には小さいがしっかり和風造りの庭園が広がっていた。ふと横を見ると白い湯気がほわほわと上がっている。

『時音〜、温泉浸かろうぜ。』

にこにこと嬉しそうな顔が容易に想像出来そうなくらい明るい声の良守が、背後から時音を抱きしめた。

『ひぁっ…い、いいよ。私は大浴場で…』

『ふふ〜。大浴場はないってさ。その代わり各部屋に露天風呂がついてるって、さっき仲居さんが言ってた。』

部屋に入るなり中居さんと何やら話をしていたと思ったら、そんな情報を聞いていたのか…。

『なぁ…たまにはいいだろ?なんたって俺ら、新婚じゃん?』

『や、こら…やぁん…』

良守の手が時音の胸の膨らみをやわやわと揉む。次第に時音の装束の襟元を割り開いて、その手が直に触れてきた。

『ふふ。着物って脱がせやすくて良いな…ほら、ココ…もう反応してる。』

『あっ、んっ…やぁ、良守…だめ…』

胸の尖をクリクリと摘み、指で何度も弾かれる。その度に時音の体が小さく跳ねて反応した。
お尻に当たる良守の硬いものもグイグイと押し付けられて恥ずかしい。

『あんっ、良守…も、硬くなってる…』

ちゅっと耳朶に吸い付かれ、そこから首筋に何度も良守の唇が触れる。もう彼の吐息は少し荒くなっていた。
胸への刺激を続けながら、反対の手が時音の陰部へ入ってくる。その奥ですっかり濡れそぼった花芽を押しつけるように指で弄られた。

『ふ…もうびしょびしょ…時音のここはヤラシーな。』

『やっ、あっ、あんっ…も、だめ…』

『あーもう、可愛い、時音…やべ、ヤリまくるっ。』

『いやーっ、あんたいい加減にっ…やっ、こら、だめぇーっ。』

強引に装束も下着も脱がされて、既に全裸の良守に抱き上げられる。それから露天風呂まで連れていかれ、その浴槽に浸かる。

『跨がれ。』

『やっ、やだっ!』

『へぇ、じゃあこのままイク?』

良守の指が時音の膣内に入ってくる。それから中をかき混ぜるように弄ってくる。激しい刺激に時音の腰回りにビリビリと痺れが走って身体が暴れる。

『ああっ、んっ、だめっ、イッちゃう、イッちゃうってば、良守っ。』

『おーイけイけ。おらっ、さっさとイッちまえっ。』

『いっ、いやぁーーーーっ!!』






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