裏会

□。
1ページ/3ページ





ーーーーーいつからだろう…。

いつの間に、私はこんなに…

私は…孤独と静寂の空間が居心地いいと

これこそが自分の求める空間だと

そう思っていたのに…






ーーー私の中を、大きな熱が満たしていく。
奥底から抉っては引いていく熱い塊。
やがて私の奥に、その熱い迸りを滔々と注ぎ込んでは私を絶頂の渦に誘い込む。
私をすっぽりと抱き竦めて、勝手に痙攣するその身体の動きを強引に止める。
全身を侵す、凶悪にして淫猥過ぎる激しい痺れが、嬌声となって私の口から漏れていく。



『ああ、もう…お前がそんな可愛い声出すから…やめてやれない、まだ…足りない…』



私の耳の奥に響く、甘い、優しい、低い声。

ゾクゾクする。
この声は私の理性を簡単に破砕して
あっという間に淫らに乱れさせる。

また始まる激しい律動。
耳に入る熱い吐息は、興奮したように激しい。
時折漏れる低い声は、蕩けるように甘く私の耳に響いて心地いい。


『あ…んっ…だめ、も…良守、激しすぎっ…やぁんっ…』

『はっ…時音、気持ちい…そんな締めたら…はっ…あっ、くっ…っ…!!』

『やっ、あっ…やぁぁぁぁっ…!!』


また…
私の中を満たす
熱くて、ゾクゾクするような奔流の感触
ビュクビュクと、大量に注ぎ込まれたその熱液
全部受け止めたいのに、余りに大量に吐き出されるからトロリと外に流れていく。

『あんっ、だめっ…漏れちゃう…良守の…熱いの…』

『……っん…はっ…まだまだ…いいだろ、時音…まだ足りない、もっとお前の中に出したい…もっと…お前の中…汚したい…』

中の熱棒が数回突き入り、欲情の熱液が全て吐き出される。
でも、まだ冷めやらぬ強大な欲望が、私の中で再び膨張して存在感を示していた。


『ふふっ…いいよ、良守の全部…欲しい、汚して…奥まで…ドロドロにして…』


終わらない。
夜闇の間中、私を満たすその存在感。
終わらないで。
ずっと満たして。


『私だけ…私にだけ…ねぇ、私以外は…許さないから…』

『は…無駄な心配すんじゃねぇよ。
俺はもう、お前にしか感じない。
こんなに俺を壊しといて…今さら、他所に行けなんて…絶対言わせないっ…!』

『ああんっ…あっ、はっ…激しっ、やぁぁぁっ…!!』



また、今夜も彼の腕の中で
私は淫らに乱れきって堕ちていく
享楽の渦に飲み込まれる
その淫靡な空間に陶酔して
だらしなく緩みきったこの甘い時間に
陶酔しきって蕩けていく


いつの間に…
私はこんなに弱くなった

彼が居ない世界では
もう、私は生きていけない



『ずっと…私のそばにいて…
じゃないと私…狂って壊れてしまうから…』













ーーーーーチュンチュンと鳥のさえずりが耳に入り、私はゆっくりと瞼を引き上げた。



『もう…朝…?』


ゆっくりと視線を巡らせて時計を見る。
もう時間は11時を少し過ぎた頃だ。

しまった。寝すぎた。
確かにそんな感覚がする。
ぼんやりとした頭の中が徐々にスッキリと覚めていく。
満たされきった気力は全快。
意識はハッキリしてるし、疲労感なんてスッパリ消えてる。

『う…いた…。』

なのに体は動かない。
腰回りは鈍痛がして力が入らない。
少し身じろぎしただけで、全身が重怠くて眉を顰めてしまう。

『もう…やり過ぎだよ、良守…』

少し視線を上に向けると、そこには呑気な寝顔を晒している良守がいる。
しっかりと私を抱き締めて、見ているだけで力が抜けそうなほど気持ち良さそうな顔をして眠り込んでいる。
少し開いた口元からは、すくすくと心地好さそうな寝息を立てて。
さっきまで顰めていた眉も力が抜けて、こっちまで気が緩んで微笑んでしまう。

『寝てりゃ可愛いのにねぇ…。』

どこからどうみても人畜無害そうな優しい顔つき。
スッと目鼻立ちが整った綺麗な顔。
いまは閉じているその瞳も、開けば忽ち吸い込まれてしまいそうな深い漆黒の綺麗な瞳。
すっかり成長した2つ年下の愛しい彼氏は、骨格も大人びてガッシリしている。
昔は私よりチビなのを気にしていた彼だが、いまや私の体を簡単に包み込んでしまえるほど大きくなった。
体力勝負の仕事柄、全身は筋肉に覆われて逞しいし。
いまだって、私の素肌に触れているお腹も、綺麗に割れて硬い。


『ふふっ。ほんと、カッコよくなったね…
大好きよ、良守…大好き…。』

言った瞬間、ぎゅうっと抱きしめられた。
びっくりして顔を上げたら、すぐに唇が塞がれる。
私の口内が、彼の熱い舌に蹂躙されて気持ちいい。

『んんっ…ん…っふ…も…また蕩けちゃう…』

『ふふっ。おはよう、時音。
俺も…愛してるよ…。』

何度も私の唇を啄んでは、愛の言葉を囁きながらまた啄んでくる。

『んふ…幸せ…』
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ