裏会
□溶けあいたい
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ギシギシとベッドが激しく軋む音は、行為の熱さを知らせてくれる。
『時音…気持ちイ…すげ…っ出そ…。』
良守の激しい息遣いが限界の近さを知らせてくる。
眉間に皺を寄せて、欲情に揺らされた潤んだ瞳でアタシを見る良守は、いやらしいけどスゴくキレイだと思う。
『あっ、あん…、ね…ギュウってして…よしもり…。』
手を伸ばすとすぐに応えてくれる。
まるで全てを包み込もうとするような、良守の抱っこはアタシに大きな安心をくれる。
『抱っこだけ…?』
顔を上げて、少しイタズラっぽく笑う。
ああ、この笑顔も好き。
『チュウもして…。』
合わさった唇から漏れる甘い吐息も、絡まった舌から伝わる彼の蜜も、アタシをフワフワと高みに上らせてくれる。
『んっ…ふ…あぁ、も…イク…イっちゃう…。』
言った途端、激しく早くなる、力強いけどしなやかな腰の動き。
『すご…時音、ヌレヌレじゃん。グシュグシュゆって…やらし…。』
繋がったところから、グチュグチュと断続的な水音を立てて、淫靡なそれが羞恥を呼ぶ。
『い…言うな…//』
『あは、かわい。いま、中がキュッて締まったよ?』
『言うなぁっ//っひ、ああんっ…!!』
入り口をいっぱいに開かせた大きなモノに、内壁を掻き回されて、突き抜けてしまうんじゃないかと思うほど強く穿たれる。
『あっ、やっ…、ああっ…しもり…こわ…い…。』
身体中がウズウズ疼いて、痺れたような感覚になる。
頭の中もボゥッとして、フワフワどこかに飛んでいきそう。
勝手に漏れ出る甘ったるい矯声は、本当に自分のものなのか分からなくなる。
『あっ、は…んんっ…、かっ…て…こわ…。』
感じすぎて怖くなる。
自分を見失いそうで…。
縋るように良守に抱き付いて広い背中に爪を立てた。
『怖くないよ?時音、大丈夫だよ?』
ギュウっと思い切り抱き締められて囁かれた瞬間、私は目を見開いた。
『大丈夫、時音。だから一緒にいこ?』
あまりにも優しくて、優しいのに力強い良守の声が、全身を解放して、あとは溢れ出る恍惚感に呑まれていった。
『ああ…そろそろイク?』
内壁がビクビクと絶頂の寸前の痙攣を始め、激しい鼓動が密着した2人の体に伝わった。
『…は…もっ、出る…だすよ?』
一段と力強くなった律動をひたすら受け止めて、必死に腰を揺らす。
『あ、あぁあ…いやぁぁぁーっ!!』
『…っく、んんっ!!』
勢い良く放出された良守の熱い精液を、いっぱいに受けながら、私もまた達していった。
『んっ…っく…っはぁ、はぁっ…時音、時音っ…。』
私をギュウギュウ抱き締めながら、腰を数回突き入れて、最後まで吐精をさせる。
『なぁに?良守…。』
そんな良守に、私は優しく抱き返して、絶頂に汗ばんだ広い背中を撫でてやる。
『愛してる。』
トクンと鼓動が小さくはねた。
『愛してる。愛してる、時音。めちゃくちゃ愛してる。』
ストレートな良守の言葉が真っ直ぐ私の胸に突き刺さって苦しくなった。
ああ…ダメだ…。
嬉しすぎて、抑えられない…。
ポロポロと溢れてきた涙と小さな嗚咽に、敏感に察知した良守が驚いて顔をのぞき込んできた。
『泣かないで…?』
『嬉しい時は泣いてもいいんだよ…。』
『嬉しい?』
『スゴく…嬉しいよ。もっと言って?もっと愛して。もっと…んぅ…。』
ふわりと優しい唇が降ってきて、甘いキスから深いキスになっていった。
舌が絡み合って動く度に、クチュリと音を立てるから、また鼓動がはねた。
『愛してる。だから時音を俺にくれ。』
『いいよ。あげるから良守をちょうだい。』
そう言ってまた一つになる。
『あ…っん…おっき…やぁ…良守…スゴい…。』
『あー…イイ、トロトロ…。時音、も、ちょい激しくしてもいい?』
『いちいち聞くなっつってんでしょ…//』
深く繋がって、モノが激しく中で動き回る。
ガクガクと揺さぶられて、私は必死に良守に抱き付いた。
こうやって密着してると、いつも思う。
『良守の中に溶け込めたらいいのに…。』
『え…?』
ついつい口に出てしまっていたらしい。
クスっと良守が笑みを漏らして、チュッと小さなキスをしてきた。
『あは…。気持ちは嬉しいけど、時音が溶けたらエッチ出来なくなるからヤダ。』
とろけるような極上の笑みで魅了しておきながら、吐かれた言葉は何とも呑気で可笑しくなった。
『ばか//アンタはやっぱり変わんない。』
『人間、そう簡単にゃあ変わんねぇよ。あっ、ほら、もうイクよ?…んんっ!!』
『ひっ、ああんっ!!』
互いに溢れさせた蜜が絡まりあって溶けていった。