裏会
□余韻
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激しい鼓動が胸を突き、アタシは縋るようにアナタに抱き付いた。
『イっ…あっ、いやぁっ、んんーっ…!!』
『…っく、ぁ…でるっ…んっ…っは、はぁっ、はぁっ…。』
アナタの熱い身体からも、ドクドクと激しく脈をうつ感触が、密着したところから伝わってきた。
『ん…ぁ…良守…すご…いっぱい…。』
はぁっ、はぁっ…と荒い息づかいが、熱くて甘い吐息と共に、アタシの耳にかかっている。
『時音…好きだよ。大好き…。』
熱に浮かされたような口調で、ギュウッとアタシを抱き締めて、何度も甘い言葉を吐く声が、夢のような心地良さをくれる。
『アタシも…好きよ、良守。大好き…。』
だからアタシも、甘い甘い言葉を、小さなキスと一緒に送った。
チュッ、チュッと頬や耳にキスをして、それから首筋に吸い付いた。
チュウっと強く吸ったら、赤い跡が付くのが楽しくて、何度も吸い付いては点々と跡を残す。
『ちょ…時音…。ヤリすぎ…。』
良守が少し照れたように頬を赤くして、逃げるように身を起こした。
『良守だって跡つけたじゃない。』
『俺はいっこしか付けてない。しかも…ちゃんと見えない場所に。』
そう言ってアタシの胸元の赤い跡を指でトントンと指し示した。
『お前、こんなトコに付けたら確実に見えるじゃん。』
さっきのだけではなく、行為の最中にも付けた跡が、首筋から胸元に幾つも付いていた。
学ランを着ていれば問題ないが、体操着には当分なれないだろう。
だが時音は事も無げに、そしてにこやかに言う。
『別に見えたっていいじゃない。』
『ハァ………思い切り他人事なご意見ドーモ…。』
ヤレヤレと溜息を吐いた良守は、まだ入りっぱなしだったモノをゆっくりと引き抜いた。
※
今日は休日で、互いの家には誰も居ない。
良守が美味しいケーキを作ってくれると言うので、時音は墨村家にお邪魔していたのだが、良守特製レアチーズケーキを冷やす間に、どういうわけかエッチに突入してしまったのだった。
良守のモノが抜けた途端に、中から良守の精液がタラタラと流れ出す。
『あ…ん…。』
その感触にブルッと身体を震わせて、甘い吐息が漏れてしまう。
良守は優しくアタシにキスをしながら、それをキレイに拭いてくれた。
『さ…そろそろ出来たかな。時音、デコレーションしてる間にシャワー浴びといでよ。』
『えっ、ちょっ…。』
サッサと立ち上がって服を着た良守は、にこやかに告げて台所に向かってしまった。
『えー…また…?』
1人ぽつんと残された時音は、いつものこの瞬間に、また溜息をつく。
アイツにはエッチの余韻とか、ないのかな…。
ヤルだけやったらそれでおしまいなの?
アタシまだ身体ダルいんだけど…?
抱き締めたりとか、ナデナデとか…ないの?
『も…やだ。』
時音は枕に顔を埋めて、エッチの後の気怠さを1人きりでやり過ごすのであった。
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