裏会
□お好きなように
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─意外なことに、私には彼氏がいる。
恋愛には淡泊だと思っていた自分が、これまた有り得ないと思っていた相手と恋に落ち、なんやかんやでもう3ヶ月が経とうとしていた。
学校帰りにどっちかの部屋に寄り、2人で甘い時間を過ごすことが、すっかり日常の一部になっている。
ちなみに今日は、彼氏の部屋にお邪魔している。
『時音、お茶いれてくるから、ちょっと待っててな?』
『え、手伝うよ。』
『だめ。俺がしたいのっ。時音は座ってゆっくりしてて?』
ニッコリ柔らかに笑った彼は、私に小さなキスを送ってから、ナデナデと私の頭を撫でて部屋を後にした。
2つ年下の幼なじみで、幼い頃から彼は私に優しかった。
すぐに戻ってきた彼は、自作のケーキと紅茶を乗せたお盆を机の上に置く。
『お待たせ、時音。今日はマロンケーキ作ってみた。』
目の前に、見るからに美味しそうなケーキがコトリと置かれた。
『わ、美味しそう。
いただきます。』
『はい、どーぞ。』
早速、ひと口食べてみる。
いつもながら、彼の作ったケーキは見た目もキレイで、しかも美味しい。
『美味い?』
ニコニコと嬉しそうに問い掛けてくる良守に、
私も満面の笑みで応えた。
『うん、スゴく。良守のお菓子はどれもスッゴい美味しいよ。』
『ホント?』
『ん。ホント。』
『良かった。ねぇ、明日のおやつは何がいい?』
こうやって私に問い掛けてくるのも、すでに日課となっていた。
『んー…あ、シュークリーム…たべたいな。』
『ん。わかった。』
─良守は優しい…
いつも優しい瞳を向けて
いつも私を最優先に考えてくれる。
─ちょっと
優しすぎるくらい…。
『はぁ…、ご馳走様。』
『ん。じゃあ時音、おいで?』
食べ終わると良守は、私を膝に乗せて、ギュウっと抱き締めてくれた。
『んぅ─…苦しいよ…。』
『あ、ごめん。』
少し慌てたように、良守は腕の力を抜いた。
『時音、これで苦しくない?』
『ん。大丈夫…。』
『良かった。』
大事そうに抱き締めてくれる腕は、私を包み込んでいくように、優しく、甘く、温かい。
『時音、大好き…。』
耳元で囁かれる言葉も、やっぱりひたすら優しくて、ズクズクに蕩けてしまいそうになる。
『アタシも…//好きよ、良守…。』
『ホント?ねぇ、キスしてもいい?』
『ん…//』
そう言って見つめ合うと、彼の瞳が潤んで、キラキラと光を揺らしながら、良守の顔が近付いてきた。
触れるだけの甘いキス。
それから深く繋がって、ちゅうっと音をたてて離れていく。
そして彼はいつものように、甘く優しく囁くのだ。
『ねぇ時音…シテもいい?』
『………いいけど//』
─うん、別に良いんだけど…
私の顔色を窺うように、恐る恐る聞いてくるのがヤダ。
ていうか、いちいちシテもいいかどうかなんて、恥ずかしいから聞かないで欲しい…。
『…ねぇ…良守のしたいようにしたらいいんだよ?』
『だって、時音がイヤがることはしたくないんだもん…。』
深く唇を繋げて、何度も角度を変えながら、歯列を割って甘い舌が入ってきた。
『んん…ぁ…んんー…』
良守の熱い舌が私の口の中で蹂躙している。
くちゅ…と水音が耳に入り、それにドキドキしながら、私は良守の服を掴んだ。
『ん…は…時音、脱がしてあげるね?』
『うん…//』
あーもう、いちいち言うな…恥ずかしい…。
顔が熱くなるのを感じながら、良守の顔が見れずに下を向いて私はされるがままになる。
ほどなく全裸にされた私は、畳に寝かされ、その上から同じく服を脱いだ良守が被さってきた。
『時音はホントに綺麗だねぇ。』
うっとりと呟いた良守は、ゆっくりと唇を首筋から胸元に這わせていき、まるで肌の感触を味わっているように優しく触れる。
『ん…ふふっ…くすぐったい…。』
大きな手も身体中を撫で回し、それから胸の膨らみを揉まれた。
『あ、時音…ここ、堅くなってきた。舐めていい?』
『あんっ…も…聞かないでって…んっ…』
舌と指で両方の尖りを弄られ、その刺激で甘ったるい声が漏れてしまう。
甘い痺れが全身に渡り、それが腰に伝わってユラユラ揺れ出した。
ゆっくり足を開かされ、良守の唇も胸からお腹に滑り落ち、既に濡れているところに触れていく。
『すげ…ヌレヌレだよ、時音。』
割れ目に舌をなぞらせて、中の花芽をクリクリと舌先で舐める。
『ひぁっ…あ、ああんっ…良…やめ…いやぁ─…』
ジュルジュルと蜜を吸われて、舌が中へと入ってきた。
『や…イク…』
『え…もう?』
『ん…だから…//』
『挿れてイイ?』
カァッと体が熱くなった。
真っ赤な顔で、小さく頷くのが、もう時音には精一杯だった。