裏会
□惑いの月
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それから時音を横抱きにして、良守は帰宅した。
『ホントにいいの?』
『ふふっ。いいよ?』
布団の上で、向かい合わせに座り込み、何度も何度もキスをした。
『んん…あ…んっ…』
重なる唇から漏れる時音の喘ぎが、部屋中を囲った結界内で響いていた。
ちゅうっと音を立てて唇が離れると、良守は時音をギュウっと抱き締めた。
『っはぁ…嘘みてぇ…。時音とエッチ出来るなんて…。』
嬉しそうに言いながら、時音の装束を脱がしていく。
上を脱がして布団に寝かせ、それから袴と下着を脱がせて全裸にした。
『時音は…綺麗だね…』
その裸体を上から見下ろし、うっとりと呟く良守の瞳は、ユラユラと妖しく揺れていた。
『…や//良守…』
あんまりじぃっと見るから、時音は恥ずかしくなって目を逸らす。
『可愛い…。』
良守は少し乱暴に装束を脱ぎ捨てた。
時音の隣に横たわり、肩肘をついて唇を落とす。
また重なり合った唇から、チュッ、チュッと音を立てながら何度もついばむ。
『時音…大好きだよ。』
『ん、アタシも…』
だんだんキスは深くなり、滑った舌が絡まり合う。
良守の手が胸の膨らみに触れ、筋張った堅そうなその手は、優しくやわやわと揉む。
『んっ…んん…』
ちゅく、ちゅっ…と粘膜質な音が聞こえて、さらに欲情が煽られる。
良守からの甘い蜜が注がれ、時音はコクコクと嚥下していく。
少し頭がクラクラするのは、酸欠だからか、それとも淫らな感情からのものなのか…。
ゆっくり離れた唇からは、ツツ…と銀糸が引いていた。
良守は、それをぺろっと舐めとり、また小さくキスをしていく。
唇、頬、額に耳朶
そこから首筋へと
唇はおりていく。
『ん…っ…』
チュッと吸われる度に時音がビク、ビク、と小さく跳ねる。
『ふ…ここ、堅くなってきた…。』
『やっ、あんっ…んー…』
膨らみの中心で堅く尖った乳首を、指で挟んでクリクリと弄られ、思わず漏れた甘ったるい喘ぎに驚いた時音は唇を噛み締めて堪えようとした。
『こら…唇、傷つくよ?可愛い声…もっと聞かせてよ…。』
時音の唇をペロリと舐めると、噛み締めていた力が抜けていく。
薄くあいたその唇に、良守は舌を滑り込ませていった。
『んー…んっ、んんっ…』
乳首への攻めに加えて、口内をくまなく舌が蹂躙するのが気持ちいい。
次第に腰が勝手に揺れだした。
『んぁ…は…も…時音、エロすぎ…。見てるだけでイキそうだよ…』
さっきから時音の太ももに当たっている堅いモノは、熱くて大きくて…少し滑った感触がした。
『ねぇ…触っていい?』
『へ……何を?』
『ふふ〜、こ〜れっ』
ころんと横を向いて良守と向かい合い、両手で熱いモノを握り込んだ。
『うぁっ…やめっ、あっ……っ…く…』
瞬間、良守がビクンと体を震わせ、時音の手の中のモノが、ビュルビュルと勢い良く精液を溢れさせて2人の腹を濡らしていった。
『わ…すご…いっぱい出てる。熱いねぇ、良守…』
『…っふ、あ…はっ…はぁっ…』
キュッと眉間に皺を寄せて、快感に身を任せる姿は、いつもの良守よりも遥かに大人びて色気が溢れている。
『ああ…イイ顔…良守、気持ちいい?』
あまりに扇情的なその姿に、うっとりと呟いたら、良守は荒い息を吐きながら、時音をぎゅうっと抱き締めた。
『んぅ…くるし…』
すっぽりと包み込まれた時音は、良守との体格差を再認識して寂しげに微笑んだ。
─コイツ、いつの間にか大きくなったな…。
いつまで経っても縮まらない身長差を、良守はいつも悔しがっていた。
高校に進学して、半年が過ぎた今、コイツは身長も体格も急に男らしく変貌した。
相変わらず馬鹿だけど…
クスッと小さく笑いを漏らしたら、良守はビクンっと反応して、それから何やらふるふると震えだした。
『…ん?良守、どうしたの?気分でも悪い?』
ぎゅうっと抱き締める力は変わらないが、小さく頭を振る良守の気配は…
『こらっ、顔 みせなさい…。』
『やだっ…。』
『良守っ!!』
『う………。』
幼い頃からの刷り込みの成果か、時音には絶対逆らえない良守は、渋々腕の力を緩めた。
やっと頭を上に向けれて、良守の顔を見つめる。
『…なんでそんな顔してんのよ?』
真っ赤な顔に潤んだ瞳。
そしてそれはウルウルと泣きそうに揺れていた。
『良守?』
『……か…い…//』
ボソッと小さく呟いた良守の声は、余りに小さくて聞き取れない。
『え?なに?聞こえないよ、良守。』
聞き返したら、良守は再びぎゅうっと抱き締めてきた。
『いっ…もう、なぁに?良守、どうしたの?』
すると良守は時音の耳元で、蚊の鳴くような小さな声で、弱々しく囁いた。
『触られただけでイッちゃったから…恥ずかしい…。』
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