宝物

□ターゲット
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『Appear』
青年がそう言うと、彼の両手にはデザートイーグル.50AE「Tear」と「Drop」が収まった。

そして青年が振り向こうとした瞬間、零が彼の後頭部へ銃口を当てたが、そこに青年の姿はない。
確かにそこに姿はあった、それに後頭部に銃口が当たった感触もあったのだが、青年は零の後ろに立っているのだ。

「アンタを殺しに来た。」
低く氷の様に冷たい声色の零に青年は言う。
「自分でよければお相手しましょう。」
零は、柔らかい物腰でお辞儀をした青年へ銃口を向けた。

彼の銃口から放たれる実弾には、実弾に触れる事で攻撃した相手の生命力を、少しずつ奪ってゆく特性がある。しかし、その反面、長時間の使用は難しく危険を伴う。この攻撃の属性は「闇」だ。魔力系の闇属性とは違い、自らの気を念じる事で発生させる属性のため体力の消耗が著しい。

「撃たないのですか?」
なかなか自分へ攻撃してこない零へ質問を投げる青年だが、その声と共に放たれた弾丸をしっかりと目視し、その弾丸を自らが持つ銃の引き金を引き、球を撃ち落とした。
青年の持つ銃は、魔力を中に充填させる特殊銃である。そのため、銃口からは魔力弾が放たれる。
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