宝物

□ターゲット
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しかし零は、青年が銃口をこちらへ向けている間に、別の武器、フランベルジュという剣を手にしていた。

剣の獲には、強烈な雷がまとわりつき、バチバチと稲光を発している。
さすがの青年も、これに当たれば軽い怪我では済まされない。と思ったのだろう。

目の色が変わった。
零は、青年との間合いをギリギリまで詰め、その刃を肉体へ突きたてようと試みるが、寸での所で軽く交わされてしまう。その上、素早い動きで背後に回られ魔力弾を何度か当てられる始末だ。

だが、ある時青年が動きをピタリ、と止めた。
それはまるで、
「今のうちに殺してくれ。」と願っているようだった。
もちろん、零はその行動に何か裏があるのかを考えたが、足に力を入れ思いきり剣を青年の脳天目がけて振り上げ、生気のない瞳を大きく開き剣を勢いよく振り下げた―――
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