宝物

□ターゲット
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「残念でしたね・・・自分は貴方の殺すべき相手ではありませんよ・・・。」

青年は、剣を両手で止めていた。バチバチと稲光を放つ獲に触れると、肉体は麻痺してしまう。青年はそれだけ言うと、剣から手を放し、倒れた。
「自分の名前はQuintetといいます。貴方の探している人の名前はおそらく、貴方の持っている写真の裏に書いてあります。見て下さい。」
「そんな嘘が通るとでも思ってるのか。」
零はそう言いつつも、渡された写真の裏側を見た。するとそこには、「Quintet」ではなく、「Queen」と書いてあった。

「自分も驚くぐらいその人に似ていて、初めて会った時は驚きました。しかし、残念ですが数年前に病死しています。これで、別人だと分かってもらえましたでしょうか?」
青年は起き上がりながらそう言い、零を見ると、先ほどまでの冷徹至極な顔ではなく、困惑した顔をしている。
「どうかしましたか?」
全身が麻痺しているというのに、笑顔を絶やさない青年、Quintetに零は
「わ、悪い・・・!俺、アンタのこと本気で殺そうとした・・・なんて謝ったらいいか・・・!」
と言った。するとQuintetは自分の銃である「Drop」を拾いあげ、深く深呼吸し、心臓へ銃口を向けた。
「ちょ・・・何やってんだよアンタ!」
零が止めようとしたが、Quintetはそれを聞かず、
『Restoration』
と言い引き金を引いた。
銃口から魔力弾が放たれ、バン、と音が響き、彼は仰向けに倒れた。
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