高層ビルの最上階、つい先程まで賑やかなパーティーが行われたいたその場所は不気味なほどの静寂に包まれていた
鮮やかなルージュを塗られた会場には、壁一面がガラスになっていて町を見下ろせる窓の前で一組の男女が肩を寄せて星空を眺めている


「ねぇ、ディーヴァ。オレ達どうしてこうなっちゃったのかな?」


あの塔にいた頃は本当によかった
時々アンシェルが"研究"ってやつをしに来たけど、あの塔にはオレとディーヴァの2人だけしかいなくて、…ああ、時々サヤが遊びに来てくれたね
ごめんね、サヤを忘れてたわけじゃないんだ。ディーヴァの大切なお姉さんなんだから、忘れるわけないよ
…それで、あの塔にはオレとディーヴァの2人だけしかいなかった。オレは、それでよかったのに……

どうしてだろうね
オレ達は今、あの塔にいないんだよ
オレとディーヴァ以外で溢れた外の世界にいるんだよ
もう、オレとディーヴァだけの世界じゃなくなったんだよ
オレとディーヴァ以外の世界が消えるのを望んでるわけじゃないんだ
存在しててもいいけど、オレとディーヴァの世界には入ってこないでほしい
そう望んでも次々と遠慮なしに入ってくる存在達…
ああ、そうだ
きっと、あの塔にいた頃のことを幸せって言うんだね
ああ、でも、どうしようディーヴァ

それじゃあ今が不幸せになってしまうよ


幸せを求め彷徨う闇


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