賜り物
□彩様
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「ひでェよ神楽!!」
朝起きて居間で顔を合わせるなり、目の前の銀髪は私に向かって悲痛な顔でそう叫んだ。
「俺というものがいながらお前は…っ!」
「……は?」
寝起きでまだ完全に覚醒しきっていない私に返せたのはそれが精一杯だった。
私の反応を見て、銀ちゃんはさらに酷い酷いと非難の言葉を吐き続ける。
もしかして寝ぼけてるんじゃないのか。
まだ寝間着のまんまだし。
とにかく一体何のことだかさっぱり分からない。
というか、よーく思い返してみれば、今何かとんでもないセリフを聞いたような。
「銀ちゃん、今何て…」
説明を求めようと一歩近づいた途端、勢いよく腕を引かれて抱きしめられた。
銀ちゃんは肩口に顔を埋めてぐずぐずと情けない声を上げる。
すがりつくように背中に回された腕からはジワリと熱が伝わり、それに反応して私の顔もカッと熱くなった。
柔らかい銀色の毛先が首筋の辺りに触れてくすぐったい。
「ちょっ、銀ちゃ…!」
「俺のことが好きだって言ってくれたじゃねェか!アレは嘘だったのか!?」
あまりにも衝撃的な銀ちゃんの言葉に、私はやっぱりこう返すことしかできなかった。
「………は!?」