君が居れば俺はそれだけで充分だ。
なのに何がいけなかったのか。
自問自答してももう手遅れだった。
「別れてくれないか」
一度出た言葉は引っ込める事は出来ず、空気を伝って彼女の耳に入ると理由を問うでもなく、彼女は首を縦に一振りし
「別に私も別れたかったからいいよ。」
そう発して俺の前から去って行ってしまった。
俺も君も何故そんな事を言った‥?
聞きたいのは此方の方だった。
何故手離してしまったんだろう。
偽りの笑顔でも
偽りのスキでもいいから
傍から離すべきじゃなかった。
後でこんなにも後悔する俺は何て憐れなんだろうか。