エヴァ
□碇シンジの憂鬱
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朝起きると彼がリビングでむくれていた。
リビングに入る私を見るや否や不機嫌そうにじっとりとした目で見つめてきた。
暫く目を合わせていると今度は頬を膨らませた。
「どうしたの?膨れ面なんかして」
「何でもないです。」
何でもない事ないだろ‥。
じゃ、何で今フイって顔を反らしたんだ。フイって。
とりあえずお腹が空腹だと煩く訴えてくるから、朝御飯を食べたい。彼の事は食べながら詳しく話を聞こう。
キッチンに入ると、いつもみたく作業台にお皿が一皿乗っていた。
が、そのお皿を手にして驚いた。
そこに盛られてたのは、目玉焼き一枚。
「ねぇ、今日どうしたの?」
「何もないですから。」
「そんな事ないと思うんですけど‥」
「しつこいですね。何もないって言ってるでしょ!」
いやいや、いつもはお皿いっぱいにおかずが乗っているはずなのに。もしかして材料がなかった?冷蔵庫の中を確認してみたが、おかずに使える材料はある。
「シンジ君‥」
作業台にお皿を戻し、彼が座るソファの前に膝をついて座る。
「熱でもある?」
彼の両頬に手を沿え自分の額を彼の額にくっつける。
「なっ、なっ」
「ちょっと熱い、かな?」
「な、なにっ、なにやってるんですか!」
両頬にある私の手を払い退け、真っ赤な顔をしてソファから立ち上がった。
「は、配達の人に着ぐるみ姿見られるより、今の方が恥ずかしいですっ!」
そういってリビングから走り去っていった。
「あぁ、なるほど‥」
リビングのテーブルを見ると、送付状が貼りつけられている段ボールがあった。
それを配達にきた人に、着ぐるみ姿を見られたから機嫌が悪かったんだんだね。
ちょっと可哀想な事しちゃったかな‥。
でもまだ夜は冷えるし、暫く我慢してもらうしかない。
配送時間帯は変更できるから
これからは昼に配送してもらおう。