garo
□Luxury
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傷付いた貴方を助けるのが、私の使命だというのなら
あなたは私の為に何をしてくれるの?
本当自分でも軽い気持ちで言ったつもりだった。
彼も何も答えずに日頃行ってる、鍛練の続きをするのだろうと思っていた。
なのに彼は鍛練を一旦中断し、
剣を鞘に納めると真剣な顔をして、私の目の前までやってくる。
まずい事をしてしまったんじゃないか‥?
私はうつ向いて、彼から来る言葉の為身構える。
だけどいつまで経っても、彼から何も言葉が発せられない。
不思議に思い顔をあげようとするが、その前に彼の指が私の顎に沿えられ上を向かされる。
「俺がお前に何をするかだと?」
見上げた彼の眉間には、くっきり皺が寄せられていた。
「そんなの決まっている」
━━━俺はお前を守る為にいる
まさかの返答に私の心臓は鷲掴みされた。
ぎゅっと苦しくなったかと思えば、どきどきと激しく動きだす。
「俺はお前を愛してる」
そう言った後、唇に柔かい感触。
それはすぐに離れ、目の前にいる鋼牙は柔らかく微笑んでいた。
愛している。
彼があまり口にしない言葉を貰うのは贅沢だ。
だけどそれがすごく嬉しくて、彼の名を呼ぶとその胸に飛込んだ。