様々なカプを書く企画(仮)−ブック01

□【ヒョウタ受け】マツバ
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「ふーん」


ボードに記されている説明を読んでマツバは頷いた。ここはニビの博物館。今日はオフ。たまには他の分野の歴史に触れてみるものいいだろうと、ここまでやってきたのだ。
館内をまわる彼の目にふと一人の男が目にとまる。見覚えのあるその姿は、たしかどこかのジムリーダーのはずだ。やけにそわそわしている彼が気になって様子をうかがう。視線は少女二人に向けられていた。13、14ぐらいの年の少女と7歳ぐらいの女の子。年齢が高いほうには既視感があった。直接の知り合いではないはずだけど、と思い返して、いつだったかコトネが最近仲良くなった自分の尊敬する先輩だと写真を見せてくれたことを思い出す。たしかリーフとかいう名前だった。
マツバは少し彼らとの距離をつめてみる。ナンパでもしようと機会をうかがっているのかと思ったが、男のほうにはそんな様子もなく。少女らも彼の視線には気がついていない様だった。


「すごいね、マヨちゃん。こんな昔に生きていたんだって」

「うん。ねぇ、お姉ちゃん、この化石は昔、どんなものをみてたのかなぁ」

「ふふ。そうだね。気になるね」


微笑ましい会話。男のほうに視線を戻すとなんだかうずうずがましている。ちょっとだけ、まともな人なのか? と不安になりつつ、いや、なったからこそ、マツバはリーフ達に近寄った。すっと口を開く。


「ねぇ君たち」


二人の視線がマツバに向かう。社交的な笑みを返してマツバは続きを紡いだ。


「この化石がみていたのは、ただ広くて青い海だよ」


声が、重なった。マツバも、リーフ達も、そしていつの間に傍までやってきたのか言葉を合わせた男も驚いたようにかたまる。一番初めに口を開いたのはリーフだった。


「すごい! 二人とも化石の言葉がわかるの!?」

「あ、うん。これでも毎日化石と会話してるから」

「ほんとうにー? おとうさんでも石と会話できないのに」


照れくさそうな男を信じ切りすごいすごいと感心するリーフに半信半疑のマヨ。雰囲気にのまれてなにもいえないでいると、男と目があった。


「あなたも化石の声が聞こえるんですね!」

「え、いや、化石の声って言うか、化石に宿った魂の――」

「すごいなぁ。化石の声がきこえる人に、いままで出会ったことないんですよ。石の声なら聞こえる人いるんですけどね」


それじゃあ意味がないから。と男は残念そうだ。


「ねぇ、もっと化石の言葉が知りたいな。マヨちゃんもそう思うよね?」

「お姉ちゃんがそういうなら」

「うん。いいよ。教えてあげる。えっと、お名前はマツバさんでしたよね? マツバさんも一緒に」

「ああ、そうだね。えーっと、確か……ヒョウタ、くん?」

「はい。ヒョウタです。じゃあ、いこうか、君たち」


リーフ達を引き連れヒョウタが歩き出す。後ろの守護霊に名前を教えてもらったマツバはついでに、ヒョウタの趣味が発掘であり、化石を溺愛していること、それにまつわるエピソードをきいた。あのうずうずは化石の声を伝えたくてたまらなかったからだとも。
化石の声ではなく魂の声ということを言いそびれたマツバは訂正しようかと悩んだが、リーフ達に楽しそうに化石の言葉を語っているヒョウタを見ていたらそんなことどうでもよくなって、むしろ勘違いさせたままのほうが得な気がして、三人の会話に混ざっていった。



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マヨちゃんは例の一件でリーフ大好き。お姉ちゃんと呼んで慕っていいて二人ででかけることもわりとある…という自己設定。リーフは天然なので反応はマヨのほうが正常。
なんかガタガタな内容になってしまった。そして全体的に電波。

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