様々なカプを書く企画(仮)−ブック01
□【デンジ受け】オーバ
1ページ/1ページ
「ほら、デンジ。そこどけ」
「ん〜」
掃除機をかけていたオーバは床に寝転がっているデンジにぶちあたり、やや呆れ気味に注意した。いい加減な返事をしながらデンジは転がるようにしてその場を動く。なんでそんなに面倒くさがりなのかと思いつつ、オーバは掃除を続けた。やがてその作業も終わり、やたら性能のいいデンジ自作の掃除機を所定の位置に戻してソファに腰掛ける。と、寝ころんで雑誌を見ていたデンジが彼のほうを向いた。視線が重なる。
「なんだよ」
「いや、別に」
「別にってお前、感謝の言葉ぐらい言えよ。俺はお前のオカンじゃねーぞ」
まったく。と溜息をもらしてオーバは頭を掻く。デンジは考える仕草を見せてから口を開いた。
「オカンというより、だらしない亭主に文句言いつつ世話を焼いてくれる奥さんだな」
「だらしないってお前、自分で。しかも俺妻かよ」
「世間には妻攻めという便利な言葉もあってだな」
「どっから仕入れてくるんだ、その情報」
オーバはまた呆れたように溜息をついたが、今度はそれ以上なにも言わず、デンジもまたエレキブル特集の記事に視線を戻した。