携帯獣(BL)−ブック
□春休み/絵文字/聖夜/年越ソバ/犬と猫
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【春休み】 ※会話のみ。現代設定。たぶんヒョウタの部屋。
「春休みだな」
「春休みだね」
「どこかに出かけたりしないのか?」
「しない。花粉うざい」
「だからってなぁ、家でだらだらするのも」
「いいじゃん。それにこの窓から差し込む光、ぽかぽかして気持ちいいよ?」
「確かに気持ちいいけど」
「うとうとしちゃうよね」
「そういって寝るわけだな」
「それがなにか? だいたいさぁ、感謝してよね」
「なぜ」
「まったりしたいこの時に、家に入れてあげてるんだから」
「それはあれか、実はとっても迷惑です、ってことか」
「……ねぇ、オーバ、そういう時間って煩わしさから解放されて過ごしたいよね? 例えそれが親でも入って来て欲しくない、っていうか絶対入れないし。この環境と同じ、満たしてくれる存在しか認めたくないっていうか」
「…………あれ、それって」
「わかったら黙って肩ぐらい貸してよ」
「おう……」