携帯獣(捧げもの/頂きもの)−ブック

□ダイゴさんとデンジくん
1ページ/2ページ

「この僕を苦しめたトレーナー達はみんな…ね」の発言を元に、その件でデンジに絡むダイゴ→天然返しで返り討ちにあう→オーバに慰められるというお話。


【ダイゴさんとデンジくん】


「ねぇ、きみもけっこうムカつく目をしてるよね?」


設計図を書いているデンジくんに向かって言う。僕を苦しめてきた数々のトレーナー、といっても総数は少ないけど、彼らと似たような目を彼はしている。気に食わない。


「なんだ、お前、視力悪いのか?」


え? なに言ってるの? 誰も視力の話とかしてないんだけど。……そうか、うまいぐあいにかわそうとしてるわけだ。やっぱり気に食わない。


「やってやるっていう目が気に食わない」

「ん? お前も改造したいのか? 地方が違うんだ。俺のジムが目立たなくなることもないから、好きにすればいい」

「さっさと頂点にのぼりつめて、『偉そうにして実は弱かったんだ』みたいなのがまた」

「いい改造案がないのか? 仕方ないな。俺が考えてやる。その辺の改造マニアに負けない、素晴らしい案をな」


ええー、なにコイツ日本語通じない! わざとなの? 素なの? 混乱してきた。


「……よし! ここにソーラーパネルを追加すれば、こことここがさらに改造可能だ。さっそく取り掛かろう。ああ、お前の改造案は後日送ってやる」


意気揚々とデンジくんが去っていく。なんだがものすごくバカにされた気分だ。怒りがこみあげるどころか、脱力する。


「ドンマイ」


いつの間にやってきたのか、アフロ頭の人に肩を叩かれ励まされた。たしかシンオウリーグ四天王の一人、オーバくんだ。デンジくんと仲が良いって聞くけど、彼も苦労してるんだろうなぁ。その憐みの目が、自分も大変なんだって物語っている。深い溜息とともに、僕は机に伏した。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ