天使サマに祈りを。神サマに文句を。
□第二話 カフェと出会いと
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カフェから出てきた美人さんは、ロゼッタさんと言うらしい。そしてこの……カフェ『ニヴルヘイム』のマスターなのだという。そして、カフェ『ニヴルヘイム』ではバイトを募集しているのだと言うことを、
「ねぇ、バイトする気はない?」
「えっ? えーっと……」
カフェのカウンターで珈琲を出されながら、一気に話された。私が子供だからか珈琲には砂糖とミルクが……って、ロゼさん近い近い!話しながらどんどん近づいてくるのは何故ですか!?
「ば、バイトするのは構いませんが、何で私なんです? 自分で言うのもなんですけど、私、かなり怪しくないですか? だって、戸籍も何も無いんですよ?」
「可愛いから別に気にしてな……じゃなかった。ま、まぁ、バイトしてくれるならあなたの身元保証人になってもいいわ! どう?」
ロゼッタさんが言いかけた事は気になるけど、このカフェすっごい雰囲気あってお洒落だしなー……。身元保証人っていうのにも惹かれるし。
「あの……私、旅してる……って言うか、現在進行形で宿無しなんですけど」
「…何ですって! じゃあ、住むところがいるわね! もう住み込みでも構わないわよ! ね、ね、良いでしょう?」
「……いいですとも!」
はい、勝てませんでした。うぅ、ロゼッタさんが美人すぎるからいけないんだチクショウ。美人さんの頼み事ってことわれないよね。
まぁ、お金も住むところも心配しなくてすむし……いいか。そう思ってたらロゼッタさんが小さくガッツポーズしてるのが見えた。……なんかちょっと嫌な予感がするけど、気のせいということにしておこう。
「やだ、私ったら、お嬢さんの名前をまだ聞いてなかったわね。お名前は?」
「高瀬……。夜都=ヤトです!」
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