天使サマに祈りを。神サマに文句を。
□第一話 気紛れな神登場
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「ねぇ、夜都」
「なにさ、千鶴」
いつもの通学路。遠くで5時を知らせるチャイムが鳴っている。
夕焼け色に染まりはじめた空の下、突然千鶴が私に話しかける。
「進路決めた?」
……今、一番聞きたくない言葉を聞いた私の顔は、きっと苦虫を噛み潰したような顔、をしてると思う。
「どうでもいい……」
「よくないって。ニートにでもなる気?」
確かに私達はもう、高校3年生。しかももう2学期も半ばだから、進路の事とかもっとしっかり考えないといけない。だけど……憂鬱だった。何をやっても上手くいく気がしなかった。
逃避だっていうのは分かってる。でも、面白くない。楽しくない。まるで、自分だけ世界から除け者にされたような、そんな疎外感。
悔しくて、虚しくて、私は一人叫んだ。
「もうヤだ。こんな世界、居たくない!」
「その願い、叶えてやるよ」
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