天使サマに祈りを。神サマに文句を。

□第二話 カフェと出会いと
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『おーい、高瀬。聞こえるか? 』

間の抜けた声が頭に響く。
それは確かに、先ほど聞いた『神様』の声と同じモノ。

「(……エイワズ?何の用?)」
口には出さずに、頭の中に文章を思い浮かべる。これで伝わるといいけど。

『オイオイ仮にも神様なのに呼び捨てかよ……?まあいい、ちょいと話したいことがあるんだが』
「(何の話?)」
『いや、浸ってるとこ申し訳ないんだが、』
「(別に浸ってないし!)」
『そうかい、まあ、それはいいとして……実はな』
「(じらしてないで、早く言え)」
『……おう。実は、今現在、原作開始6年前なんだよ』
「(はぁ!?どういう事!!?)」
『いや、ちょいと扉の設定ミスってな。間違えちゃった♪』

おい……間違えちゃった♪ じゃねぇ!!6年とか、どんだけミスったらこうなるのか教えて欲しい。原作開始時、私、24歳になっちゃうし!!レオリオより年上とか普通に嫌だ……!


『……何だお前、まだ気づいてなかったのかよ』
「(へっ?何さ?)」
『お前、そこの……そうだな、ショーウィンドーでも見てみろ』

エイワズに言われ、私は右脇のブティックらしき店の大きなショーウィンドーを見た。中にはマネキンが三体、微妙なデザインの服を着て立っている。……ハンターの世界の服ってこんなのばっかりだな。富樫先生のセンスってよく分かんない……。
「(……この服がどうかした訳?それともマネキン?)」
『だぁぁ!違う違う!!俺はガラスに映ったお前のことを言ってるんだ!』

改めて、ショーウィンドーのガラスに映った自分を見て、私は今の自分に起きていることを一発で理解した。





「ち、縮んでる―――!!」





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